そう、思うのに……。
「ねぇ、綻(たん)。」
「……んー？」
「今でもあの子のこと好きなの？」
「……ん。」
親友の来笑(くるみ)の言葉に、あたしは素直に応えた。
だって、隠しても意味ないじゃん。隠す必要だってないんだし。
隠す必要があるのは、あたしの気持ちだけ。それだけで充分だ。
一度も言ったことなんてない。
あの人への、あたしの気持ち…。
「…言わないの？」
心配そうにあたしの顔を伺ってくる来笑に申し訳ない気持ちが溢れて、泣きそうになる。
「言わない。 …言えない、もん。」
「幼なじみだから？」
「それも、ある」
「今の関係、崩れるのが怖いから？」
「……うん…。」
