「理沙ちゃん、
祐介のこと、かばってるじゃん...?」
「海翔は黙ってろ。」
「祐介が動かないなら、
理沙ちゃん、奪うよ?」
「...。」
「つーかお前、
茉優ちゃんとどーなってんだよ。」
「一応、まだ続いてる。」
「今度の花火大会行くの?」
「まぁ一応...。」
「お前、ほんとよくわかんねーな。
茉優ちゃんと付き合ってるくせに、
理沙ちゃんも気になるとか。」
「自分でもよくわかんない...。」
「どっちかにしてあげないと、
お互い可哀想だと思う。」
「俺、親失ってから、
自分が見えなくなったんだ...。」
「俺、中2の時に、母親が死んだんだ。」
「え...。」
「寂しいとか悲しいとかそういう感情
消すために必死で、
自分がわかんなくなってた。」
「そっ...か...。」
「でも、見失うことの怖さを知ったから、
茉優を選ばなきゃなって思う。
理沙は、俺のこと好きじゃないから。」
「祐介が辛いときに
気づいてあげられなくて、ごめん...。」
「俺も言わなくて、ごめん...。」
ふっと肩の荷が降りた気がした...。