バクバクしてる心臓...。
震える足...。








ものすごい緊張をどうにか抑えて、
私は迫ってくるバトンを待った。










「はい!!!」







いつもの3倍くらいの声だった。








この思い美紗ちゃんに届けなきゃ!










私は、
なにも覚えてないくらい必死に走った。










「はい!!!」







ハァ...ハァ...









地面に座り込んだ。








呼吸が整ってきた。








もうすぐ、アンカーの隼人先輩に
バトンが渡る。








「頑張れーーーーーーーー!!!」










大声で叫ぶ。









今のところ、青組は2位。








トップに緑組がいる。














「フレー!!!
フレー!!!
みーどーりー!!!」


「フレー!!!
フレー!!!
あーおーぐーみー!!!」




応援団の声が校庭中を響き渡る。











あと30m...











あと20m...












隼人先輩...抜いて...!

緑組抜いて...!







「隼人ーーーー!」



「頑張れーーーーーーーー!」



「緑抜けーーーー!」






あと10m...










パン!


パン!


え...?
ほぼ同時...。





ゴールの銃声が響く。














どっちだ...!
お願い...!