レントゲン室にはさすがに
俺は入れないから、連れて行って
レントゲン室の前の待合所で待つ。

いつもは医者として中に入って
いるため、ここにいるのが新鮮で
落ち着かない。

ものの数分のはずなのに、
30分くらいに感じた。

向「終わったぞ。」

 『あぁ、わかった。』

また日向葵を抱えて結果が
出るまで診察室の待合室で待つ。

咲人以外みんないなくて驚いたが
姫がのど渇いたって言ったから
売店に行ったと言われた。

そうだよな。

姫はまだ3歳だしここにいると
のども渇くし暇になるよな。

そんなこと聞きつつ、顔色を
見ると凄い青白いから話して
見るものの、心配かけたくない
からと言っている咲。

そんな顔色悪いとこっちが逆に
心配になるっつぅの。

俺の診察室に連れて行こうと思ったら
タイミング悪く呼ばれてしまった。

向「わりぃ取り込み中だったか?」

 『咲の顔色が悪くて心配
  してただけだ。気にするな。』

向「過保護なんだから…。」

 『過保護で何が悪い?咲が
  隠すから悪いんだろ?』

向「はいはい、そうですね。
  日向葵くんも大変だね。
  こんなのが父親で。」

日「いえ、頼りになる父ですよ?
  ただ、母さんを溺愛しすぎなところが
  ありますがね(苦笑)」

日向葵も余計なことを…。

向「ここからはまじめな話。」

改まって日向が言う。