そしていつ生まれてもおかしくない
状態になった今、前とは違い
入院することになった。

これも過保護な葵が言ったから。

家でもおとなしくできるし、
陣痛が始まっていない私がいたら、
邪魔な気がする…。

藤「どうですか?咲さん。」

 『暇すぎて退院させてほしいです。
  葵って何でこんなに過保護
  なんでしょう…。』

藤「咲さんが好き故(ユエ)の
  行動だと思いますよ私は。」

 『はぁ…。』

藤「ため息つくと幸せが逃げて
  しまいますよ?」

 『もう、入院している時点で
  幸せじゃないです。』

藤「まぁまぁ。私の旦那はそんなこと
  全くないから羨ましいです。」

 『私は藤先生の旦那さんが
  羨ましいですけどね。』

葵「咲調子どう?」

そんな話をしていたら葵が
入ってきた。

 『暇すぎて子供が生まれる前に
  私が死んじゃいそう。』

葵「咲が死んだら、俺が困るから
  死なないで。」

 『いや、比喩だから。』

葵「最近咲冷たくない?」

 『別に。』

葵「咲どうした?俺悪いこと
  した?」

 『もう、うんざり。なんで
  陣痛も来てないのに、入院
  させられてるの?本当にいや。
  退院したい。』

葵「それはだめ。俺がいないときに
  陣痛来たらどうするんだ?」

 『タクシー呼ぶからいい。』

葵「だめ。心配だ。タクシーの中で
  生まれちゃったらどうするんだ?」

 『そんな簡単に生まれないから
  大丈夫。』

葵「はぁ。」

 『ため息つきたいのはこっちだよ!
  もう葵とは話したくない。出て行ってよ!』

無理矢理追い出した。