「美璃?」

電車に揺られるうち、すっかり眠ってしまった美璃をのぞき込むように見る星。

「相変わらず起きないねー」

満煌は笑いながら言った。

「でも、着いた途端起きるんだから不思議だよな」

「身に染み付いてんだろうよ」

立ちながら眠る美璃をさりげなく支える満煌の動作は慣れたものだった。

美璃を見つめるどこか切なげな満煌の瞳。

それに気づきながらも星は疑問に思うことも無く、見て見ぬ振りをした。