出てきたフェニックスは、気を失っているらしいホセを担いできた。
髪色も紅い。
おそらくは瞳も紅い。
「ちょっと重症負わせた。気失ってるみたいだな。」
「殺さなかったのかよ。」
間髪入れずにウィングが言った。
優しく抱き上げたキースは、血の気を失って真っ青だ。
もうすっかり冷たくなったキースに、ウィングは唇を噛み締めた。
「おいウィング」
「キースが何したっていうんだよ。キースの何が悪いっていうんだよ。」
「ウィン」
「黙れ!!」
キングの制止も振り切って、ウィングは叫んだ。
「キースにはなんの落ち度もない!今回のことは100%そいつが悪い!」
「分かってる。でもウィング」
「誰にでも間違いはあるっていうのか、正気じゃなかって!?
そいつを俺が殺せないなら、殺したら裏切りになるんならいいよ、俺はもうこの船にはいたくない!!」
「ウィング!」
「大体おかしいんだよ、なんでこいつばっかり、なんでそいつばっかり守ろうとするんだよ!!」
「…」
「キースがやられた時も、お前はそいつを気にかけた!」
「黙ってろウィング!」
力ずくでウィングを押さえ込み、キングはゼェゼェと荒い息で叫んだ。
「アクアの気持ちでも考えてろ!この馬鹿!!」
暴れるウィングは一瞬止まり、その瞬間を逃さずフェニックスは静かに言った。
「多分、ホセは目が覚めたら自分のこと物凄く責める。放っておいたら勝手に死ぬよ。」
だから。
「ホセは自分を守れない。自分の行為の正当化ができない。だから守ってやらないと、バランスが取れない。」
間違ってもホセを責めるな。
「表面ではホセは反省してないような、腹がたつようなこと言うと思う。だけど本当は、一番自分のことを責めてる。」
何があっても一人にするな。
と、フェニックスは深く頭を下げた。


