ウィングとアイスを放り出して、それをホセは黙って見ていた。
「…」
元々綺麗な顔をしていたホセは、吸血鬼化したことでより美しく、綺麗になった。
傷1つない、美しい身体。
曇った瞳は信じられないくらいに澄んだ色になって。
美しかった。
残酷なまでに綺麗だった。
綺麗だった。
綺麗だった。
それはもう、この世のものとも思えないくらいに。
「分かってるとは思うが、お前らが死んだらあいつら全員殺す。」
渇いてないが潤ってる訳じゃないんだ。
チロ、と唇を舐めて、ホセはそう言った。
君は未だ知らない。
君がどれほど美しいか。
「キング。」
「分かってるよ。」
白衣を打ち捨て、キングはあの禍々しい姿を晒す。
足元には死。
両腕にまとわりつくのは怨念と血。
顔の半分は死に侵され、溶け落ちる。
「さて、と。」
もうホセに誰かを殺させる訳にはいかないから。
この仮面を取るときは、お前を守るときだと決めていたから。
守るよ、ホセ。
自身にかけた最も強力な魔法を、フェニックスは解いた。


