バンと激しく開いた扉に、ウィングは飛び上がった。
「お前ら逃げろ!」
叫んだのはフェニックスで、アクアは金縛りが解けたかのように脱兎の如く逃げ出した。
ウィングもそれに続こうとして、キースのことが頭をよぎった。
「…っ」
「馬鹿やめろウィング!!」
死んでもいい、その覚悟でウィングは泣きながら走った。
せめて、これ以上傷つける訳にはいかない。
「待て!!」
抱きかかえられるようにして足を止められて、ウィングは吠えた。
「離せ、離せよ…っ!!!」
「今行ったら殺される!間違いないだから逃げろ!!」
「嫌だ、それなら俺も死んでやる!!」
もがくウィングを、キングは無理矢理押さえつけた。
「だから」
キングが叫びかけて、そこにホセが呟いた。
「…キース?」
ピタリ、空気が止まった。
「こいつか?」
ホセはゆっくりと、足元に横たわるキースを見た。
「!」
すると、そっとキースを抱き上げ、ホセはこちらに歩いてくる。
「ほら。」
丁寧にキースをまた寝かせると、目を開けていたキースの瞼を撫でて閉じさせる。
「連れて行けよ。」
後退したホセは、例の無表情で、ただジッとこちらを見ていた。


