☆Friend&ship☆-償いの吸血鬼と罪深き種族の運命-


果たして着いた後輩の家は。

「…わーお」

裏側は汚い路地、表側は豪華な表通りというすごい一軒家だった。


「あ、こんにちは〜。先輩のお友達ですか?…聞いてますよ聞いてます。敬愛する先輩のお友達ならギャングだろうとおもてなししますよ…さあ入ってください。」

広い玄関に、そのまま長い廊下が続いている。

左手側にあるのはどうやらリビングらしい。

ヴィセーブはフェニックス達を急かしつつ階段を上がる。

「なあ、その先輩ってさ。君と双子?」

赤い髪、白い肌。

「いいえー?」

セレンより多少健康的で、痩せこけた感じはないものの。

「俺はヴィセーブって言います。みんなからはヴィスって呼ばれてる。」

彼はセレンに、瓜二つだった。


「はは、似てるの見た目だけですよ。」

俺馬鹿だし、とヴィセーブが言った。

「そういえば、ミューズがまだ帰ってきてないんです。先輩には劣りますけどイケメンです。俺はそいつとシェアハウスしてて」

ヴィセーブはそう言いながら、廊下の先の扉を開けた。

「ここは俺の部屋です。」

「ねえねえヴィセーブくん。」

「できればヴィスと呼んでくださ」

「ヴィセーブ。一個聞きたいことあってさ」

ヴィセーブの話を無視して、フェニックスは言った。

「これは何?」

「先輩のポスターです。」

「これは何?」

「先輩の写真です。」

「これは何?」

「先輩の声を録音したテープです。」

「…」

フェニックスは、にっこり笑った。

「キモい^o^」

「…同感。」

「同感。」

「同感です。」

「ああごめんねヴィスさん。気にしないで気持ちは分かるから。うんそうだよね泣かないで」

泣き出す直前まで罵倒され続けて、キースは慌ててヴィセーブを慰めた。