それから、一体何分そうして見つめ合っていたのだろうか。
やっぱり唐突に、鎖が擦れた。
するすると滑り落ちた鎖を追うように、少年はガクンと膝を折った。
「ホセ、なの?」
こくんと頷いたホセに、キースはフゥと息をついた。
肯定は得られた、安心してキースはホセに近寄った。
「馬鹿やめろ近づくな!!」
ウィングが叫ぶようにそう言ったが、キースは止まらなかった。
「ホセ、大丈夫?」
「…」
「こっち来て、ちゃんと治そう?」
「…」
「大丈夫?ホセ?」
「…来ないで。」
ジッとこちらを見つめながら、ホセは呟いた。
「大丈夫、怒ってないよホセ。」
「…」
「いこ?酷いことされたんでしょ?」
アクアは動けなかった。
今までの、ホセとは違っていたと同時に。
記憶の中の兄ともジュエル様とも、あまりにも違っていたから。
野蛮で乱暴で、粗雑で滅茶苦茶。
「キース…さん、駄目です正気じゃない…!」
「大丈夫だよ、ホセは仲間だもん。」
怖くないよ。
キースはそう言う。
「…」
ホセはゆっくりと俯いた。
友好的とは、とても言えないと。
ウィングがそう言いかけた時。
キースはもう死んでいた。


