「キセノン。」
「何?」
「こいつらもつかわないのにゃ?」
「そーだよ。欲しい?」
ヤーンはにっと笑った。
「にゃにゃーん。」
笑顔って便利だにゃ。
ヤーンは思った。
表情は意思によって変えられる。
それなのに、それが感情を表す手立てとなる。
気を失った、二人。
「にゃにゃーん。」
ヤーンはにっこりして、フェニックスに語りかけた。
「にゃにゃ。」
初めて見た。
愛するべきヒト。
愛さずにはいられないヒト。
彼と同じ人間は、何故彼を愛さないのだろう?
この気持ちは、鳥でも感じられるだろうに。
この気持ちは、蛇でも感じられるだろうに。
この気持ちは、魚でも感じられるだろうに。
この気持ちは、昆虫にも感じられるだろうに。
不思議でたまらなかった。
彼と意思が交わせる人間が、何故彼を虐げるのか。
ヤーンはにっこり笑った。
「馬鹿だニャア、人間って。」
尻尾は垂れ下がったままだった。


