「連れてきたにゃ、キセノン。」
「ああ、どーも。きっちり縛っといてくれるか?」
「分かったにゃ。」
ヤーンは絡み合った毛糸をゆっくりと解いていく。
「うっ…」
「?」
「なに、起きてんじゃん。」
キセノンは大して機嫌を損ねた風もなく、そう言った。
「誰?」
「金髪にゃ。…小さい方の。」
そう言うと、ヤーンは肩を抱いてフェニックスを起こす。
「…う…此処は…?」
「フェニックスくんにゃ?」
「う…ん…」
まだ半覚醒状態らしい。
ぼんやりとこちらを見ている。
それを持続させるため、ヤーンは水溶性の糸をフェニックスの首筋の動脈に溶かし入れる。
脳まで到達させると、慎重にゆっくりと侵略して行って、完全な覚醒を防いだ。
「人形にしていいよ、そいつは要らないから。」
「…でも、ボスが気に入ってるにゃよ。」
「構わねーよ。他にもお気に入りは大量にいるんだから。」
「…分かったにゃ。」
ホセには劣るが美しい少年。
ヤーンはそっと彼を誘った。


