☆Friend&ship☆-償いの吸血鬼と罪深き種族の運命-


虚ろに剣を振るう人形を容赦なく切り捨て、ヤーンに迫ったフェニックスは顔の横に地面と水平に剣を構えた。

「…流星…」

「ソーイングキット。」

ぐぐ、と突いた剣は糸に絡まり体が浮き上がる。

それでもフェニックスは剣を離さなかった。

それは何も勝手に持ってきた家宝の剣であるからではなく。

でも敢えて言うべきでもない理由。

結論から言えば結局のところ、早く離せばよかったのだ。


こんな剣は捨てて、さっさと次の城に行くべきだった。


後になってそう後悔するなんてこと、フェニックスはまだ知らない。



にゃぁともぐぅともつかない呻き声と共に、ヤーンはフェニックスを押し返した。

「…マリオネット。」

流石に、キセノンの上を行く。

それ以降は近づけてすら貰えなかった。


「ウィング!」

キースの声に、ウィングは頷く。

「1、2、3!4、5、6っ!」

風吹き荒れる竜巻の中、地形を変えて上昇気流を作り出し、それに乗ってウィングは飛んだ。

「ウィング!?」

体の二倍、いや三倍はあろうかという漆黒の堕天使の翼。

「ああああ!!おっもいなクソ!」

絶叫して、それでも矢のようにウィングはヤーンに向かって突っ込んだ。

ガチャガチャと鳴る銀の鎖がはためく。

「にゃにゃん、馬鹿なネズミだにゃ。」

ヤーンはグイと毛糸玉を引っ張った。

「鎖編みだにゃ。」