虚ろに剣を振るう人形を容赦なく切り捨て、ヤーンに迫ったフェニックスは顔の横に地面と水平に剣を構えた。
「…流星…」
「ソーイングキット。」
ぐぐ、と突いた剣は糸に絡まり体が浮き上がる。
それでもフェニックスは剣を離さなかった。
それは何も勝手に持ってきた家宝の剣であるからではなく。
でも敢えて言うべきでもない理由。
結論から言えば結局のところ、早く離せばよかったのだ。
こんな剣は捨てて、さっさと次の城に行くべきだった。
後になってそう後悔するなんてこと、フェニックスはまだ知らない。
にゃぁともぐぅともつかない呻き声と共に、ヤーンはフェニックスを押し返した。
「…マリオネット。」
流石に、キセノンの上を行く。
それ以降は近づけてすら貰えなかった。
「ウィング!」
キースの声に、ウィングは頷く。
「1、2、3!4、5、6っ!」
風吹き荒れる竜巻の中、地形を変えて上昇気流を作り出し、それに乗ってウィングは飛んだ。
「ウィング!?」
体の二倍、いや三倍はあろうかという漆黒の堕天使の翼。
「ああああ!!おっもいなクソ!」
絶叫して、それでも矢のようにウィングはヤーンに向かって突っ込んだ。
ガチャガチャと鳴る銀の鎖がはためく。
「にゃにゃん、馬鹿なネズミだにゃ。」
ヤーンはグイと毛糸玉を引っ張った。
「鎖編みだにゃ。」


