早速、至る所に魔法陣が輝き出す。
「…!」
自分の身は自分で守る。
それは暗黙の了解で、誰も守らない、誰にも守られないの決まり。
けしかけられる攻撃系魔法に、飛び回りながら、時たま攻撃を仕掛ける。
「っ!?」
アクアの水の矢はまともにスレプトに当たった。
弾けて舞った水滴に、スレプトの体は瞬時に崩壊し、再生する。
「…くっそ。」
仲間を盾にしやがって。
キングは呻いたが、すぐさま持ち直す。
「っねえ、キセノン…っ…いつまで…こうしてるの…?」
「ヤーンから連絡が入るまでな。」
「…っ…分かったよ…」
「今だ狙えウィング!詰めろ!!」
びゅお、と風が吹き、それと殆ど同じスピードでウィングが翔ぶ。
「…ちょこまかと…」
音速で襲いかかってきたウィングに、服を硬化させて受ける。
「…」
スレプトは辛そうに息を吐く。
キセノンは薄く嗤って、なおも攻撃魔法を発動し続けた。
「…っ…」
クラ、揺らいだスレプトをキセノンは思いっきり押し出す。
「うぅっ…」
殆ど気を失ったスレプトに、キセノンは冷酷なまでに冷たく言い放った。
「使えない。」
「っ、もう何なんだよあいつ!!」
キースはすでにバテかけている。
相手は疲れもせずに6人を相手にしている。
アイスは相当強いようだからまだ余裕が見えるが、ウィングはもうギリギリだろう。
「…おいフェニッ」
「ヘーキだよ。」
聖剣を容赦なく振るう姿は、神々しく。
キングは破壊神のようだと思った。
「…」
宣言通りいたぶるつもりらしい。
気を失ったスレプトを転がしたままで、キセノンはピクリとも動かない。
袖に隠れた両腕が蠢くだけ。
まだ幼い男の子に見えるのに、一人になってもその動きは精彩を欠かない。
恐ろしいくらいに動かない。
こちらはもう二人リタイアした。
キースとウィングは目を閉じて深い呼吸を繰り返している。
「アイス!」
ミスの許されないデスマッチ。
セーブボタンのないサバイバル。
一時停止も、ローリング回避もない。
バリアも数には限りがある。
「…っ!」
当たったら死ぬ覚悟。ウィング達のように動かなくなれば向こうは狙ってこない。
「アクア休め!死ぬぞ!!」
フェニックスの言葉につんのめるようにしてアクアが倒れた。
あと半分。
それまでに決着をつける。
「殺してやる…」
すれ違ったフェニックスの声が、やけにはっきりと聞こえた。
キングが倒れ、あと二人。
もうこの攻防が始まってから1時間、二人になってから30分は過ぎた。
ノンストップで動き続ける二人に、さすがに相手も疲れを見せる。
急所を避けて切り傷をいくらか負っている。
秘策も必殺技もない。
続くのは、戦争。


