☆Friend&ship☆-償いの吸血鬼と罪深き種族の運命-


早速、至る所に魔法陣が輝き出す。

「…!」


自分の身は自分で守る。


それは暗黙の了解で、誰も守らない、誰にも守られないの決まり。

けしかけられる攻撃系魔法に、飛び回りながら、時たま攻撃を仕掛ける。

「っ!?」

アクアの水の矢はまともにスレプトに当たった。

弾けて舞った水滴に、スレプトの体は瞬時に崩壊し、再生する。

「…くっそ。」

仲間を盾にしやがって。

キングは呻いたが、すぐさま持ち直す。


「っねえ、キセノン…っ…いつまで…こうしてるの…?」

「ヤーンから連絡が入るまでな。」

「…っ…分かったよ…」


「今だ狙えウィング!詰めろ!!」

びゅお、と風が吹き、それと殆ど同じスピードでウィングが翔ぶ。

「…ちょこまかと…」

音速で襲いかかってきたウィングに、服を硬化させて受ける。

「…」

スレプトは辛そうに息を吐く。

キセノンは薄く嗤って、なおも攻撃魔法を発動し続けた。


「…っ…」

クラ、揺らいだスレプトをキセノンは思いっきり押し出す。

「うぅっ…」

殆ど気を失ったスレプトに、キセノンは冷酷なまでに冷たく言い放った。

「使えない。」


「っ、もう何なんだよあいつ!!」

キースはすでにバテかけている。

相手は疲れもせずに6人を相手にしている。

アイスは相当強いようだからまだ余裕が見えるが、ウィングはもうギリギリだろう。

「…おいフェニッ」

「ヘーキだよ。」

聖剣を容赦なく振るう姿は、神々しく。

キングは破壊神のようだと思った。


「…」

宣言通りいたぶるつもりらしい。

気を失ったスレプトを転がしたままで、キセノンはピクリとも動かない。

袖に隠れた両腕が蠢くだけ。

まだ幼い男の子に見えるのに、一人になってもその動きは精彩を欠かない。

恐ろしいくらいに動かない。

こちらはもう二人リタイアした。

キースとウィングは目を閉じて深い呼吸を繰り返している。

「アイス!」

ミスの許されないデスマッチ。

セーブボタンのないサバイバル。

一時停止も、ローリング回避もない。

バリアも数には限りがある。

「…っ!」

当たったら死ぬ覚悟。ウィング達のように動かなくなれば向こうは狙ってこない。

「アクア休め!死ぬぞ!!」

フェニックスの言葉につんのめるようにしてアクアが倒れた。

あと半分。

それまでに決着をつける。

「殺してやる…」

すれ違ったフェニックスの声が、やけにはっきりと聞こえた。


キングが倒れ、あと二人。

もうこの攻防が始まってから1時間、二人になってから30分は過ぎた。

ノンストップで動き続ける二人に、さすがに相手も疲れを見せる。

急所を避けて切り傷をいくらか負っている。

秘策も必殺技もない。

続くのは、戦争。