久しぶりの重い拘束具。
ホセは暗い檻で束の間の休息を噛み締めていた。
始めは、昼夜の生活が違った。
昼間はパークのサファリエリアで手足に鉄球をつけられて這いずり回った。
人間狩りの標的として。
ホセは姿形が美しかった所為か、しょっちゅう銃弾に貫かれた。
急所だけは鉄板で覆われているが、手足は銃弾の跡だらけだった。
休息はその時に取らされたので、うつうらうつうらしかけたところに銃弾の嵐。
夜は適応実験の山だった。
致死量ギリギリの毒を飲まされ、死ぬほどの電圧をかけられ。
気を失うまで水を飲まされた後は氷水につけられて冷凍庫に意識を失うまで放置。
精神が壊れていく。
ツミキのように。
最近は夜の適応実験だけになった。
24時間中10分間だけ休憩が与えられる。
その間は水牢の中で気を失ったように眠りにつく。
夢なんて見る間もない。
目覚ましは電流。
腰まで浸かった水に、全身を痺れさせられる。
両目には目隠し。
そんな状態だったから、歩きながら半分だけ寝るという素晴らしい技を身につけた。
「…」
ああ、ご主人様のところが天国のようだった。
…会いたいな。
ご主人様、元気かな。
久しぶりに、優しくしてほしい気分だから。
…あ、駄目だ。殺されちゃうや。
早速何故殺されたら駄目なのかもいまいち分からない。
こんなボロボロの精神状態で、 ホセはその日暮らしに生きていた。