相変わらず真っ暗な部屋で、すすり泣く声が聞こえる。
輝くような金髪もくすんで見えるほど、憔悴しきったフェニックスがそこにいた。
「フェニックス。」
「…?」
少しだけこちらを見て、俯いたフェニックスの髪を掴んで無理やり上を向かせる。
キングはそのままにぃと悪魔のように笑った。
「これ、観るぞ?」
「…やだ。」
「ふーん。」
キングは一旦髪を離して再度今度は頭部を丸ごと掴む。
「い、いぎぎぎ…いいたい、やだやだ痛い潰れる止めてお願い誰か助けて殺される!!」
「はいと言え。」
「はい!!はい止めて下さいませお願い致します!!うがあああああ言った、言いましたキング様ぁ!!」
ほぼ拷問もののキングの詰問に、フェニックスは屈してしまった。
さて、一方こちらはウィングとキース。
女の子らしい部屋はキースには少々居心地が悪かったが、ウィングはそうでもないらしい。
元々ウィングが原因で閉じこもっていたような物だったが、ウィングは後ろめたさなどひとかけらもなく、寝ていたアクアを叩き起こして担ぎ上げた。
「きゃぁっ!変態 !嫌っ離して!!」
「アクアなかなかいい胸してんなお前。」
「いやぁぁぁっ!!!」
さりげな〜く変なことを言っているウィングに、アクアがせっせと蹴りをかます。
ビシビシ音がする。
「…すっごい大っきい痣になりそう…」
キースはそう言って、溜息を吐いた。
「また僕の仕事ができちゃったね。」
実はそんなこと心配しなくてもいいなんてこと、キースは知らないのだった。