1/1、午前1:00。
音もなく、それは突然に訪れた。
「…あけましておめでとう。えっと…雪豹?」
見張りをしていたキングを、アイスと見間違えたらしい。
キングは言語道断問答無用と言わんばかりに能天をぶち抜いた。
「…ねえ、痛いんだけど…」
「!!」
破壊された頭部が再生していく。
すざましいスピードで再生した頭部で、彼女はこちらを見た。
「…ごめん、君雪豹じゃないみたいだね。でも人違いくらいで撃たないでよ。」
人違いで撃ったんじゃない、キングは冷静に抗議した。
キングの人間性が疑われるからだ。
「最早手遅れでしょ。ボク知ってるよ。」
「うっせーなモルモット。」
「…慣れてしまった自分が憎いよ。」
そう言って、彼女は名乗った。
「ボクはスレプトラットだよ。あの金髪君に会わせて欲しいんだ。」
「やだよ。」
即答されてしまったスレプトラットはううと呻く。
「…何で警報がならなかったか分かる?」
「何で?」
「消滅しかけたからだよ。」
「あ…そう。」
バリアを通り抜けた時にはもう死んでいたようだ。
「ボクはラットだから、自在に体を再生できるんだ。肉塊が一部でもここに入ったらこっちのものなんだよ。」
「余計死ね。」
「君の人格が否定されるのはそういうことだよ。」
「真空じゃ生きられねーだろ!!」
「…別に…生きられないことはないよ。一瞬で再生の間もなく死んだら別だけど。」
「どうやったら死ぬんだよ?」
「…それ言ったら会わせてくれる?」
「いや。」
「…ほら、敵意は無いんだよ。ボクは助けたいんだ、ホセくんを。」
「…いや、俺らが勝手にやるからお前は死んどけ。」
「…」
ボロ、とスレプトラットは泣き出した。


