☆Friend&ship☆-償いの吸血鬼と罪深き種族の運命-


12月を迎えて、いよいよフェニックスは病んでいった。

もうホセの記憶なんて無いだろう。

それなのに忘れてはいけない何かを忘れてしまっている、という事実だけがフェニックスを縛り上げていた。

普段は普通なのに、その部分が刺激されると狂ったようになる。

実際、狂ってる。


ホセはあまりにもフェニックスと一緒に居過ぎたから、些細なことでそのパニックは起きた。

「う、うあぁぁぁぁっ!!」

もがきながら激しく芝生に体を打ち付けるフェニックスを、止めることもできずキングは見ていた。

何故か分からない涙を流し、何故か分からない喪失感に打ち震える。

もう、狂うなという方が無理だった。

「誰…だれなの…もう…でてってよ…」

「…」

泣きながら、分からないのに泣きながら。

フェニックスは頭を抱えて叫んだ。


それは、12/23のことだった。

「ハッピーバースデー!!」

「…?」

クリスマスにはちょっと早いぞと言いたげに、フェニックスはウィングを見た。

「誕生日だろお前の!!しっかりしろってのこの馬鹿!!」

「…誕生日…そうだ、ピアノ…!」


…ピアノ?

何のためのピアノだろう?


また、フェニックスの頭が疼き始めた。

ピアノ、真っ白なグランドピアノ。

___お前楽器好き…から…

___いらないよ…ご主人…さ…

___駄目…だめ…

___死なないで…

___絶対…

___楽器…そんな…

___…お楽しみ……大…す…


「…!!」

赤い髪の少年。

綺麗な顔をしてて
背が高くて
真っ暗な服
かっこいいすごく
優s頭も良i文武両ど才色兼b

で。

自分が大っ嫌い。


「!う…?」

一瞬、腕の中でボロ切れのような少年が泣いているような幻覚を。

フェニックスは見た気がした。