☆Friend&ship☆-償いの吸血鬼と罪深き種族の運命-


去って行く全員の背中を、ホセはじっと見つめていた。

「…いい子だな、ホント。ありがとよ、礼言うぜ。」

キセノンはそう言って、ホセの頭にポンと手を置いた。

「全員帰ったら拷問の続きだ。見るだけ見て好きにしろよ。…スレプト、ついてこい。」

「…分かった。」

消えたキセノンと、心配そうにそれに続くスレプト。


振り向きもせず、ホセはフェニックスの方を見つめていた。

「…良かったにゃ?本当に。」

「…」

「あいつは忘れるにゃ。どう足掻いても、あいつの種族だからにゃ。」

「…分かってる。」

「…キミは…何を思ってるんだにゃ?」

「…ねえ、ヤーン様。」

「ヤーンでいいにゃ。」

「…ヤーン。」

「何にゃ?」

「もし、もしかしたらさ。覚えててくれないかな。俺のこと。俺と過ごした日のこと…忘れたりしないかも。」

「…ホセくん。」

「ホセでいい。」

「ううん、ホセくんにゃ。ねえホセくん、僕はどう言えばいいにゃか分からにゃいにゃ。」

「…」

「キセノンだったら、きっとキミに絶望を突きつけるために言うにゃ、それはあり得ないって。」

「…」

「スレプトだったら、あるかもしれないって言ってくれるにゃ。」

「…」

「でもにゃ、僕はわからにゃいにゃ。」

「…」

「100年生きた化けねこにゃからにゃ。人間はたくさん見たにゃ。」

「…」

「でも、どうすればいいかわからにゃいにゃ。ホセくん。」

僕がねこだったら、キミの膝の上で丸くなって、キミのその涙を受け止められるのに。

化け猫には、不器用に言葉をかけることしかできにゃいにゃ。

「ホセくん。今なら間に合うにゃよ。」

「…分かってる。」

「行くにゃ。僕はキミのことが好きにゃ。好きになったんだにゃ。」

「俺は動物に好かれるからな。」

「そうにゃ。人間より動物の方が、人を見る目があるからにゃ。…って人間だって動物のはずにゃんだけどにゃ。」

「…」

「人間には余計にゃものが多すぎて、キミの美しさが分からにゃいんだにゃ。」

「…ヤーン、褒めてるのか?」

「そうにゃ。美しいものを愛する。それは本能的なものにゃ。キミは美しいにゃ。写真に収めるように、キミを守りたいにゃ。」

「…キセノン様に怒られるぞ。」

「僕はキミを守りたいにゃ。僕は魅せられたんだにゃ。」

キミは魔性の子にゃね。

「…ヤーン。」

ついに見えなくなったフェニックスを追うように、ゆっくりとホセは立ち上がった。

「…俺は、好かれちゃ駄目なのに。」

「そんなことにゃいにゃ。」

大好きにゃ。

ヤーンはそう言って、ビックリするほど濡れたホセの頬をそっと舐めた。

「頑張るにゃ、ホセくん。きっとキミにも、幸せは来るにゃ。」