☆Friend&ship☆-償いの吸血鬼と罪深き種族の運命-


ごめんなさい。

ホセはそう言った。

「俺は、ここに居て幸せです。みんな、俺を想ってくれて、好きでいてくれて。」

「ねえ、食べる?ホセくん。きみ好きでしょ。」

「ありがとう、スレプト。」

緊張しているらしいホセに、スレプトラットがケーキを差し出す。

ケーキを受け取りながら、ホセは礼を言った。

「だから、帰れません。」

フェニックスと一緒に行くということは、みんなを裏切る事になるから。

「さようなら。」

今まで、ありがとうございました。


深く頭を下げて、ホセはそういった。

ヤーンの尻尾は下がって僅かにゆっくりと揺れている。

キセノンは微笑んでホセを見ている。

スレプトラットは垂れた目でホセを心配そうに見ている。

「…うん、分かった。」

フェニックスはそう言った。

「ここなんだよな、お前の居場所は?」

頷いて、ホセはこちらをそっと見つめた。

「ありがとう。」

ごめんなさい。

「謝んなくていいよ、ホセ。俺、すっごく嬉しいからさ。」

フェニックスは、ホセに近づいて手を握った。

「大丈夫なんだよな?辛いことないよな?」

「…はい。」

「よかったぁ…っ…」

覆い被さるようにしてホセの方へ倒れかかったフェニックスをヤーン達は警戒した。

ホセがそれを止めて、フェニックスに抱きしめられるままにした。

「美味しいものいっぱい食べさせてもらえよ、あったかいベッドで寝かせて貰えよ?」

「…はい。」

「いっぱい楽しいことしろよ、働いてばっかじゃなくて遊べよ?」

「…はい。」

「ホセ。俺絶対お前のこと忘れないからな。」

「…忘れていいよ。」

「ううん、忘れない。絶対。」

最後にフェニックスはギュ、とホセを抱きしめた。

「上手くいかなかったら、いつでも戻ってこいよ。もう居場所がないって考えるなよ、ちゃんとあるからな?」

「…要らないよ。」

「いいの!」

きゅ、とさらに強くホセを抱きしめたフェニックスは、にっこりと笑った。

「元気になったら戻ってこいよ。」

俺がお前を忘れるまでに。

フェニックスはそう言って。

一粒だけ泣いた。