魂が抜けたようだった。
と。
後にウィングはそう言った。
アクアは相変わらず部屋に閉じこもっていたが、すでに立ち直ったウィングはヘラヘラしながら食事を作っていた。
「船長、飯ですよ〜っと。」
「…要らない。」
「要らないって…良い加減食えって。もう3日食ってねーだろ。」
「食欲ない。」
「…パンで良いから食えよ。」
虚ろな瞳で、虚空を見つめている。
「…」
「大丈夫かよ?」
「うん。」
キングが話しかけても上の空だ。
「フェニックス。」
「…」
フェニックスは、突然泣き出した。
静かに、ただポタポタと。
___壊れた。
クルーは皆、そう思った。
突然泣き出して、突然泣き止む。
出すのは短い返事と呼吸音だけ。
動かず、食べず、眠らない。
「フェニックス。」
「せめて動けよ、動けなくなるぞ。」
「やだ。」
「フェニックス。」
「ホセのコト、忘れたくないから。」
「また会いに行けば良いだろ?」
「…うっ…」
ポロ、とフェニックスはまた泣いた。


