☆Friend&ship☆-償いの吸血鬼と罪深き種族の運命-


「…っはぁ、キース、ウィング追っかけんな。ちょっと1人にしろ。」

今すぐにでも飛んでいきたいとばかり追いかけかけていたキースは、仕方なくといった風に止まった。

「どうして?ウィング慰めてあげなきゃ、僕」

「だからこそだよ、あいつ何気に客観的だからさ、こういう時は1人にしたほうが効く。」

「…うん。」

キースはこくんと頷いた。

「大丈夫だよ、ホセと違って自殺はねーさ。あいつの場合一瞬でも1人にしたら覚悟決めなきゃいけないけど。」

フェニックスはそう言って、傍にいたアクアの頭に手を置いた。

「俺もホセは吸血鬼っぽくないと思うしな、いい意味で。」

「?」

「まず単純に、あいつは異常に禁欲的だ。そしてすぐ宗教にはまる。」

「え?宗教?悪魔なのに?」

キースが素っ頓狂な声を上げた。

「そ、悪魔なのに。今は落ち着いてるけど熱心な信者なんだ…あいつロザリオつけてたろ?いっつも。」

「ああ…そういえば…」

「まあ他にも理由はあるけど十字架は好きだったぜ、悪魔なのに。」

キングはそう言って溜息をついてパンパンと埃を叩いた。

「信心深くてさ、懺悔に懺悔に…ま、つまりそういうタイプだったの、強欲な吸血鬼とは程遠い。」

キングはそう言って、白衣のポケットに手を伸ばした。

「…あ、禁煙中だったっけ。」

伸ばした手を引っ込めたところに、アクアが言った。

「あの…おにいちゃんどうなりますか…?」

「お兄ちゃん大丈夫。ちゃんと連れ帰るから、心配すんな。」

わしゃ、とアクアの髪を撫でてからフェニックスは俯いた。

「…ちょっと、休んでて良いですか?」

「ああ、いいよ。」

微笑んでフェニックスは言った。

「アクアはアクアで悲劇だよな。」