「…ふぁ…」
「もう起きたのか。寝ろ。まだ日が出ていない。」
「…ん、でも俺…」
眠ったのは2:30。
現在の時刻は3:00。
もぞもぞ動こうとする427を、戒めのようにギュッと抱きしめた。
「そんなに嫌か。」
「あ、そうじゃなくて…」
「じゃあ寝ろ。5:00まで起床は許さない。」
「…はい。」
従順にそう言って、427は眠りに落ちる。
スゥスゥと安らかな寝息にこちらも目を閉じ、外界から隔絶したこの場所で、漆黒に闇の中二度寝を開始した。
「…ふぁ…」
全く同じ欠伸をして427は目を覚まして。
時刻は5:00。
律儀にぴったり起きたようだ。
「…今日は街に出る。お前の見た目を変える。」
「え。」
「閻魔の奴がお前を追ってる。あいつに見つかったら厄介だからな。」
「閻魔様が…!地獄にいらっしゃるんのではないんですか?なぜ俺を」
「閻魔は悪魔だからな。お前を利用する事しか考えない…俺が裏切ったのに感づいたらしいな。」
「裏切った…?一体どういう…」
自分の事になるととたんに無力になる427は、オロオロしだした。
やたら可愛かったが、427の仕事はオロオロする事ではなく俺についてきて変装つまりコスプレをする事だ。
準備もそこそこに早朝の街に繰り出してファストフード店でモーニングを食べさせた後、24時間営業のレンタルビデオ店に滑り込む。
変声機を買ってつけさせた。
その後音楽を聴いて至福の時を過ごす427に(427は大のミュージック好きだ)9:00の鐘と共に引きずり出す。
その足で洋服店に向かった。
嫌がる427をレディースのコーナーに引きずっていき、パンツ、ベルト、Tシャツなど一式揃えてやった。
そのまま試着室に連れて行きそこで着替えさせ、美容室に行った。
「いらっしゃいませ!本日はどのようなイメージにいたしましょうか?」
「ゆ、ゆるふわガーリーの…ひ、ひと、みたいに!!」
「左様ですかぁ!お客様お綺麗ですからきっとお似合いになりますよ。」
「カラーもやってくれ。あまり派手にならないように。メイクも。」
「ちょっ…アイスさん…!」
「彼氏様はどうなさいますか?」
「えっちが…俺…じゃない私たちそんなんじゃ」
「そうだな…カラー頼もうか。可愛い彼女とデートだしな?」
「っ!」
かぁぁぁ、と427は赤くなった。
「あ、アイスさんっ!」
感情豊かで結構だ。
こんな427は俺しか見られない。
あの金髪の妹達には、絶対に見せられない。


