「甘そうだもんな、あの金髪。」
「…はい。」
正直言って、あの金髪はこいつに対して“マトモ”過ぎた対応を取っている。
427は狂ってる。
狂った対応でなければこいつは幸せに出来ない。
心底怯えるような、地獄を見せなければならない。
伊達に6年一緒にいた訳じゃない。
こいつの習性は熟知している。
427でトリセツが書ける。
「ほら、湯船に浸かれ。」
⒈希望はなるべく命令形で。
“入りたければ”なんて論外だ。
「でも…」
「俺と入るのは嫌か?」
⒉遠慮してきたら脅す。
優しく笑って諭したら駄目だ。
「…はい。」
「ほら、来い。」
「…えへへ…」
⒊近くにきたら頭を撫でる。
お好みで痛めつけても可だ。
あまり痛めつけると死ぬので加減は必要だが、逆に理不尽に痛めつけておいたほうが初心者には簡単だ。
そちらが正解とも言える。
可愛い顔して寄ってくる427を悪魔のようにはたき落すのは結構な勇気と気力が必要だが、嫌われる事はないので安心してもいい。
懲りずに擦り寄ってくる。
子猫のように。
逆に幸せそうにする427に調子に乗って撫ですぎると“プリンセスリスト”に入る恐れがある。
そうなってから抜け出すのは至難の技なので、それは避ける。
プリンセスリストについては後述。
「いつ出る?」
「…えと…もう、すぐ…」
「そうか。」
一緒に出る、と俺はそう言った。
⒋たまに意見を聞き、それを尊重する。
でも、とかは言っちゃ駄目なのだ。
「…」
そうすれば427はだんだんと柔らかくなる。
笑顔も見せるようになる。
ゆっくりしなければならない。
ここまでの手順を繰り返し繰り返し、少なくとも一年は繰り返す。
その間427をなるべく外界に触れさせない。
触れたら最後、夢が壊れてしまうから。


