「お前は…!じゃあ!」
「そうだよ、お前の村を滅ぼした悪魔と同種だ。」
ウィングの頭に、家族の顔が浮かんだ。
幼い弟のクラウド。
優しかった両親。
谷川で血だらけで倒れていた悪魔科吸血鬼。
助けたそいつが、ウィングの村を全壊させた。
追ってきた他の悪魔に、死体は蹂躙された。
「…っ…くっ!!」
お前なんか、お前らなんか。
俺の家族を、大切な人を殺しておいてのうのうと…!!
「償え!!!!」
立ち上がって、ウィングは叫びながら半乱狂で突っ込んだ。
「待てウィング!!」
ウィングは泣いていた。
1日で帰る場所すら失い、心すら変わってしまった。
その元凶と、同じ種族の。
仇!!!
「止めろ!!アクアが優先だ!」
「!」
ウィングは、アクアの所に飛んだ。
蜃気楼(ミラージュ)だ。
移動系特化のウィングが唯一使える無言魔法。
唱詠時間がないのと引き換えに、著しく魔法の効果は落ちる。
でも、十分だった。
「…」
アクアの縄を、膝に置いてあったナイフで掻っ切る。
「セレン、こっちに」
「俺はジュエルだ。」
セレンはそう言った。
「俺はジュエル=ホセ。誇り高き鬼族に生まれた最強の戦闘民族」
ヴァンパイアだ。
言い終わるか終わらないかのうちに、フェニックスはホセの気を失わせた。
バタッと倒れるホセを支え、フェニックスは移動魔法でその砦の外に出た。


