☆Friend&ship☆-償いの吸血鬼と罪深き種族の運命-


「業火…地上花火。」

それを合図のように、キースが襲いかかった。

セレンからしてみれば猫パンチにも劣る体感速度で、目を閉じセレンは指先を軽く動かした。

「うわぁっ!?」

瞬時にキースは目を回して倒れる。

「…うう…頭…痛い…」

「…」

セレンはそんなキースを見下ろす。

次はお前とばかりにウィングを見つめ、そのまま圧をかけた。

心理的な、精神的な圧。

殺気とも覇気とも言える。

「…っ」

ウィングはたまらず押されて一歩引いた。

俯いて、次に無差別に。

あまりの威圧感に、セレンの髪が揺らいでいるようにすら見える。

「ウィング、座ってろ。お前じゃセレンには勝てない。」

ウィングは、糸が切れたようにぐったり倒れる。

服従する事で、その威圧感は消えた。

「…お兄、ちゃ…ん?」

「…」

セレンはハラリと後ろを向いた。

「黙ってろ。」

アクアは怯んで、ポロリと涙を流した。

「…なんで?」

「お前は馬鹿だ。」

セレンはそう言った。

「お前は何度もチャンスをふいにした。なあアクア。」

人がいつまでも変わらないと思っていたのか?

「お前は愚かだ。」

「…!まさか、お前が…!?」

「そうだよ、ウィング。」

セレンはそう言った。


「俺がアクアの探していた奴だよ。」



___お兄ちゃんは、私が三歳だったときに六歳だったので…たぶん今十七か十六か十五。

___性別は男、髪と瞳は共に綺麗な赤です。お兄ちゃんと最後に会ったのは三歳の時なので…あんまし覚えてないんですけど。

___二人とも優しいんです、すっごく。

___病院に行ったあと。私は知らない大人の人に連れて行かれました。



___姪っ子がいたんだ、その子に似ていた。

___他人も同じだ。…血縁者として最後に会ったのは彼女が3つのときだったから。



「…!」

奇跡の妖精の探し人“お兄ちゃん”と“ジュエル様”は同一人物。

目の前にいる、完全なる美少年だった。