☆Friend&ship☆-償いの吸血鬼と罪深き種族の運命-


ところで。

あいつは美少年だという能力の話ではなく、次はあいつ自身についてのことだ。

さっきからあいつあいつと代名詞ばかりだが、まぁあいつが名乗っている名前…もとい商品名なんか言いたくもない。

そっけない、代名詞の方がまだマシだ。

普通名詞。

ドール。

人形。

それがあいつの名前であり、商品名だ。

この銀河、Death-pranetであいつが名乗っていた商品名。


『何より貴方を優先します。あなたの理想になります』


これが売り。

ふざけてる。

そう言う俺もその方法であいつを仲間にしたわけだけど…今となっては、俺はどうでもいい。


でもあいつは。

看守より囚人、主人より奴隷。

現在の状態は恐ろしいほど支配欲がないあいつには似つかわしくない立ち位置だ。

以前人権を叩きつけられ奴隷制度の廃止を宣言されたのに、職業の自由を掲げ復活させた。

最早伝説だ。

訳が分からない。

しかも本人によれば、苦痛を幸せと捉えるなら幸せになってやるという衝撃の自虐ボーイだ。

…。

俺は幸せになってほしいな。

と、思うのだけれど。