☆Friend&ship☆-償いの吸血鬼と罪深き種族の運命-


戻ってきた石造りの城はほとんどガラ空きだった。

「罠丸出し…」

「おいおい、問題ねーよ。」

怖気付くウィングに、キングが言った。

「あいつが一人で待ってるさ。変なところで律儀なやつだから。」


果たして、その通りだった。

暗い舞台のような所に、セレンは腰掛けて足をブラブラさせていた。

3本のナイフをジャグリングしている。

フェニックスたちを認めて、それを一気に4本増やした。

確かに律儀だ。

「…100時間は待った。遅い。720時間以上は経った。遅い。飲まず食わずだぞ、餓死させる気か。遅い。」

「…ゴメン。」

フェニックスは素直に謝った。

「ほんっとゴメン。まさか飲まず食わずとは思ってなかった。」

「…別にいい。」

セレンがパチンと指を鳴らすと、背後の舞台に明かりが灯った。

「!」

「こういう事だ、フェニックス。」

椅子に縛り付けられたアクアが、その舞台の上にいた。

「…」

「上から言われててな、お前らをとらえて来いって。」

だが闇雲に動くよりこっちの方が良いだろ?

「お前らはアクアを見捨てないと思ったよ。お前らは本当に、俺の期待を裏切らない。」

身体大事にしろよって言われてるんだ。

優しいだろ?

死ぬくらいなら逃げて来いって。

優しいだろ?

「だから期待に応えたいんだ。」

微笑んでセレンは幸せそうに目を閉じた。

「じゃあセレンは幸せ?」

フェニックスがそう聞くと、セレンは頷いた。

「俺はここを離れる気はない。仲間はみんな優しい、とても親切だ。」

「…」

「だから。」

丸め込むつもりなら、諦めろ。


不敵に笑って、セレンは酷く美しく首を傾げた。