「フィールドはこの円の中だ。ここから出たものは即失格、殺しも有りだ、ただし降参した者や既に戦闘不能に陥っている者を殺すのは失格。いいな?」
「了解。」
「じゃあ」
開始だ。
ニィ、笑んだのはNで。
眼前に広がるのは、広い広い魔法のドーム。
ホセはオロオロしながら落ち込んでいた。
「N様…」
「はいはい分かっているよ。君は本当に…全く。」
「…」
ホセは俯いて、手元のモニターを見つめた。
時間無制限、武器の持ち込み可。
反則はたった一つ。
“降参した敵を殺すこと”だけ。
廃墟となった街と近隣の林と湖を丸ごと囲うフィールドの、ドームに触れてもアウト。
高さは二万フィート。
直径は200km。
丁度スタート位置は正五角形を描くようにドームを背後に。
外からの干渉は禁止。
食事なども全てドーム中で。
「ねえ、ゼロさん…」
「はい?」
ホセは目の前のゼロを見つめて呟いた。
「帰って…来てよ…絶対…死んじゃ駄目だよ…?」
「ふふふ…君は、本当に」
優しい子ですね…
言い終わるか終わらないかで、激しいホイッスルが鳴り響く。
ゼロはホセを振り返って、優しく笑った。
「さようなら、L君…」
「大丈夫なのかよ?お前…」
「平気。任せて!!」
自信満々のクラウンに、ウィングは苦笑する。
「…だって、あいつら」
「大丈夫。応援してて!」
クラウンはニコッと笑った。
「二人がいるってことが、私にとっては最高の武器だから…」
「…」
「大丈夫、安心して!」
ホセは、絶対に守ってみせる。
「急ぐ必要があるな?」
「分かってるよジャック。ふふふ…はははは!!楽しいなぁ?なあそうだろ?なあジャック!!!」
「ああ…狂ってるな…お前…」
「うるせーよ、黙ってろジャック。クク、あははは!!!」
閻魔は狂ったように雄叫びのような叫びをあげた。
「待ってろ427!!使い潰してやるからなぁ!!!!」
走りながらサトリは空高くまで飛んだ。
「…オーラ…」
黒い闇の瘴気が立ち込める、サトリは下を見ながら顔を顰めた。
「…広いな…」
一人くらいと思ったが、全く見つかりそうにもない。
飛びながら、サトリは不気味なオーラを振りまき続けた。
早く、早く見つけなければ。
焦って足が縺れ、蔦に絡まり地面に倒れたが、気にしてはいられない。
早く見つけなければ。
あいつが殺される前に…
「どこだ、ブライド!!」
虚しく反響する叫び。
どこにいるかすら分からないゼロを探してただひたすら歩きながら、アイスはゼロを呼ぶ。
「訳わかんねーレビィの奴…クッソ!」
言っただろ?
あいつが俺について来ると決めたら。
あいつをくれるって…!!
「あああ!!!!」
427を手に入れれば。
必然的にブライドは俺について来る。
そうすれば、やっと永遠の家族ができるのに…!
ぐちゃぐちゃに歪んだ戦場。
生きて帰って来るのが何人かすら。
外にいるホセ達には分からない。


