「…いえ、すみません全然話が見えないんですが…とりあえずL君の鼻は大丈夫なんですか?」
「ああ。ヒビが入っただけ…おっと。」
「殺す。」
「乱暴やめよう?その綺麗な顔で凄むな台無し。」
「どーこが綺麗なですか!お前の美的感覚狂いまくってますね墓場に穴掘って死ね。」
「暴言やめなさーい。」
ニコニコしながらアイスは言った。
「大体、褒めてるんだぜ?素直に照れろよ。」
「L君の顔を踏みつける奴に言われたって嬉しくありません。」
「あいつは俺の囚人だからな。」
「俺に殺されたいようですね。いいでしょう嬲(なぶ)り殺してやる。」
「キレたキレた。」
楽しそうにアイスは言ったが、ゼロは真顔で拳を握り締めている。
「L君を馬鹿にするな…!!」
「…ったく。」
アイスは軽く笑ってゼロに背を向けた。
「…自分は何されたって黙ってるクセに。」
「?何か言いましたか?」
唇を噛んで、呟いたアイスの声はゼロには聞こえない。
「…なんでもない。」
「?」
ゼロはキョトンとして首を傾げた。
「…」
疲れ切ったような表情に、アイスは目を細めた。
「…お前は、427が好きなのか。」
「ええ、そうですけど…?」
「…あいつのためなら、なんでもするか?」
「ええ、します。」
L君には、返しきれない恩がありますから。
微笑んだゼロを、アイスは無表情に見つめた。
お前を、俺の腕の中に閉じ込めたい。
誰のものにも…427にすら渡したくない…
そうしたらお前を守れるのに。
そうしたら、お前を幸せにしてやれるのに…
「427を奪い合う。」
「え…?」
「戦争していてもきりがない。決闘を行う、勝った者が427の…ホセの所有権を持つ。」
そういうことになった。
と、無表情にアイスは言った。


