「フェニックス、様…どうしよう…」
「ん?どしたん?」
「誰とも、連絡取れないんだ俺…どうしよう…どうしよう…」
「ヘーキだろ。気にすんな?」
珍しくギューっと抱きついてきたセレンにビックリしてからフェニックスはクスッと笑った。
「なに、どったのセレン?」
「俺、フェニックスに謝らないといけないことがあるんだ。」
「ん?」
「ごめんなさい、フェニックス様。」
許さなくて良いよ。
「ウゥッ!?」
無表情のまま、セレンはフェニックスの首を締めた。
「せ、れ…ん…」
「…ごめんなさーい。」
俺、ご主人様のコト裏切りま〜す。
ふざけた声も無感動、無表情。
暗くなっていく視界の中で、フェニックスは堪らずに涙を零した。
「なんで…」
「なんででしょーかー。」
セレン、駄目だよ。
これ以上お前を俺は…
「ごめんなさい、ご主人様。」
惜しむような声を最後に、フェニックスは気を失った。


