その剣は、戦闘には適していない。
最高の切れ味と美しさの極限を求めたそれは。
形に究極を求めた包丁が最高の料理包丁にならないように、その宝剣は戦闘には絶対的に向いていない。
そもそも、大きすぎる。
柄も含めて長さは子供の背丈ほどある。
よって非常に重い。
リーチは長いが同時に隙も大きい。
よってそれは、武器には向かない。
でも宝剣には、鈍らない最高の切れ味を持った宝剣はちゃんと目的を持っている。
それは最高の使い手が使えば、使い手が斬りたい物をなんでも切れる。
つまり。
草、紙、石、鉄。
風、火、土、水。
形あるものもないものも、斬れる。
切れる。
恋情、友情、信頼、絆。
勇気、強気、殺気、敵意。
その剣は。
時間も。
死すら。
全てを殺し切れるのだ。


