☆Friend&ship☆-償いの吸血鬼と罪深き種族の運命-


「キース。」

「あ、セレン!」

「見つけたか?」

ウィングの問いに、セレンは首を振った。

「いつものところにいない。あいつも知恵をつけたようだ。」

「お前…自分を敬愛してる後輩にそれはないだろ…」

「あいつは狼だ。大方動物は小さいのとふわふわなのが良いんだ。」

「だから可哀想すぎるだろお前。」

「羊の天敵だしな。」

「…セレン、嫌われちゃうよ。」

キースの忠告にも耳を貸さない。

「そこの道の先でも見てくれないか。俺はあっち側からまわる。」

「はいよぉ。」

二人を置いて、セレンは一本道の先に回り込んだ。

重い鉄球がズルズルと引きずられる音がした。




「セレにぃじゃないですか!最近大人しいアクアちゃんに御用ですか?」

「何か恨みでもあるのか。いやあるんだろうが。」

「おい可愛いアクアちゃん、より可愛いセレンちゃ」

「セレにぃ足が疲れました!抱っこ!!」

「…」

このペアは結構凶悪だ。

キングの台詞を遮って、抱っこをねだる…いや強請るアクアは特に。

「…遠目に確認したんだが、T路地にいるようなんだ。悪いがそっち側から回り込んでくれ。」

「えーセレにぃ抱っこは?」

「なんか見返り頂戴?」

「…ヴィス捕まえたら目でもやろうか。」

ふんとばかりにセレンは消えた。