「L君?!L君!!」
「いたかゼロ!!」
「いません、もう一度自室を探してみます!」
「お兄ちゃんいましたか?!」
「いない!!お前は甲板行け、モニターで確認してみる!」
悲鳴のような叫びをあげて、ウィングは走った。
大樹の中の階段を駆け上り、置き手紙を握りしめる。
【探さないで下さい。
もう二度と会うことはありません。
ごめんなさい。さようなら。】
「クッソあの馬鹿!!」
頭の中に、感情を殺したように泣くホセが浮かぶ。
手を振って居なくなる。
崖から、真っ逆さまに落ちてく…
「ああもうあの野郎!!」
走れ、走れ。
操縦室について、ウィングはすぐさま船内の生体探査機を立ち上げる。
ホセらしき影はない。
考えられるのは三つ。
なんとかこれを誤魔化して船内にいるか。
船を出して何所かに行ったか。
飛び降りて死んだか…
「クッソ!!!」
ウィングは手元の機械を思いっきり叩いた。
丈夫すぎてそれはビクともしなかった。
まるでホセの心のように。
響きもしない。


