「あーあ。まーた逃げちゃったよアイスくーん。」
僕はにぃと笑みながらそう呟いた。
「あいつを俺は実の弟のように可愛がってるんだけどねー。親の心子知らずだねぇ。」
酷薄な瞳、冷酷な表情。
スラリと背は高く、姿形も美しい。
残酷で残虐で無慈悲な男。
「帰って来いよー!アイス!!」
美しい少年に魅せられて、まるで狂ったように彼は優しくなった。
「何言ってるんだ?憎々しいと思ってるクセに?アイスだって優しくもないだろう、唯普通に病んだだけ。」
「黙ってろジャック。クク…427は綺麗な子供だ、奴は魔性の少年だから…」
「気に入ってるのか?あいつを?」
僕はジャックに言われてデスクの片隅に置かれた写真を見た。
白髪の看守と、赤髪の少年が写っている。
「利用価値があるからね。」
最高のコンピュータ。
最強の兵器。
そして最後の玩具。
「ふふふふ…あははは!!」
僕のものにしてあげる。
427。
僕に隷属させてやる。
僕だけに。
僕だけしか見えないくらいに。
隷従しろ、ジュエル!!
「あははは、あはは、あははは!!」
「イカれてんな。」
ジャックは笑った。
「まあ…千年以上こんなとこいたら。」
いくら閻魔といえど狂っちまうのは仕方ねえか。
たった十五歳の少年に、こんなに執着するくらいには。
「あははは!!」
純粋な、透明な427。
汚してやるよ、お前の全てを。
未来も過去も絶望に染め上げて。
手を差し伸べてやろう。
それがお前の望みなら。
「楽しみだなあ?427!!」
使い潰してやる。
お前は一体、何日もつかな?
427。
美しい囚人。


