「ゼロさんにはケーキあげない。」
ホセは若干拗ねていたので、無表情にそう言ってふんとそっぽを向いた。
「ちょっと待ってL君謝りますから!お願いです、君に嫌われると命すら危ういんです!!」
「N様に言いつけてやる。」
「ああやめて!!殺される、L君許してお願いします!!」
言葉通り殺生与奪をがっちり握られているゼロは早々に保身に走った。
自分の影響を知らないホセは、無邪気に拗ねていた。
「いいもん、ゼロさんストラップにして飾るもん。」
「やめて!!!痛そう!辛そう!!L君マジでされるんです許して下さい、L君!!何でもしますから、ね?キャンディあげますから!!」
「…いいよ。」
「子供か!!」
ウィングが叫んだ。
「大丈夫ですよ、私がゼロさんをお守りしますから。」
「ありがとうございます。心強いです。」
疲れたようにゼロは微笑んだ。
「…ぁ…カッコいい…」
「ゼロテメ表でろ。」
今度はウィングが凄んだ。
顔中ピアスだらけのウィングは歳のせいであどけないものの、見た目だけは立派な(?)チンピラだ。
ホセより大分怖い。
「あなたは怖くありません。」
しかしゼロはしっかり中身を見るタイプだった。
「…っていうか、絶対外した方がいいですよ、それら。君見た目で損してますよ。心は結構純朴なのに。」
ゼロは優しかった。
さすが20代後半。
超大人。
「うるせーな。」
「素直になった方がモテますよ。今はL君ブームが吹き荒れてるんですから…」
意外に流行に敏感だった。
「街を歩けば赤髪赤目黒コートだらけですからね。ハロウィン吸血鬼率100%ですから。」
「魔界のなうな情報が俗すぎてびっくりしてるよ!!」
ウィングは耳のピアスをチャラチャラ言わせながらそう言った。
「ほらやっぱり。ない方がいいです。君せっかく地がいいのに…全てが台無し…」
「ほっとけ!!」
ウィングはゼロの好意を無下にした。
「ゼロさんに仲間外れにされたって言ってやる。」
「ごめんなさいごめんなさい土下座するので許して下さい!!」
ホセはまた拗ねた。


