☆Friend&ship☆-償いの吸血鬼と罪深き種族の運命-


ヴィセーブが連れられて来た時、彼は気を失っていた。

いや、眠っているだけだろう。

「泣き疲れたらしい、ぐっすりだ。…抵抗したからな、少し手荒なことをした。」

セレンはそう言って背負っていたヴィセーブを降ろす。

「ミューズ、あいつらは。」

「探しに行ったよ、お前らを。」

ミューズは悲しそうにそう言った。

「なんでだよ?ロス。仲良くやってたじゃねーか?」

「…だからだ。」

セレンは言った。

「俺はあいつらを、裏切る。もう2度と許されないくらいに深く、裏切る。」

冷たい無表情、そしてまた暗い無表情。


セレンは自分に言い聞かせるように、俯いたままそう言った。