☆Friend&ship☆-償いの吸血鬼と罪深き種族の運命-



「…っちっ!」

その舌打ちには、何に対する苛立ちがあっただろう?

怒りに任せて肩を掴む、その金属に穴が開く。

「…」

はぁ、はぁと荒い息で呻く。


許せない、許せない。


何が?


その問いが揺らめいて、心の中で握り潰す。


俺にだよ、ゼロ。


自分で自分にムカついてる、L君に与えられた使命すら果たせない自分に。


「…どう、しましょうか。」

追いかけても、捕まらないだろう。

だからと言って、どのツラ下げて彼に会えと?


それなら彼に決めて貰おう。

2コールの間に彼が出なかったら、追いかける。


リリリリリリ、と断続的に呼び出し音が響いて消えた。

リリリリ…

『はいはいこちらゼロさん大好きホセくんでーす。ゼロさんの愛のおはようが聞けるなんて天にも上る心地です。さてゼロさん大好』

「おはようございますL君。今からそちらに伺いたいのですがよろしいですか?」

『ヤッタゼロさんのラブコールが直に聞けるとは。ホセくん感激。』

「…君、誰に対してもそうなんですか?それとも私に対してだけなんですか?」

『始めの一言以外は全部違いますイケメンゼロさん。』

「…え?!まさか誰にでも!!」

『はいこちらゼロさん大好きホセくんでーす。』

「通りですね、私の命が狙われる訳です!!」

ゼロはプンスカして言った。

「君の心無い一言で私の耳が吹っ飛ぶ所ですよ!!」

『ああそんな、俺の愛しいゼロさんが酷い目に遭っているなんて。今すぐ行くね俺のゼロさん。はぁと』

「やめてくださいませんかその意味も心にもないラブコール!!私の命がかかってるんですが!!」

『はーい。』

カチャカチャ、音がして通話が切れた。

ゼロは微笑んで、目を閉じた。

「優しい人です、君は…」