「ホセ、入るぞ。」
「……はい…」
「起こせるか?」
「…」
力無く首を振って、グッタリしているホセの肩を引き寄せるようにして抱き起こすと、支えてウィングは額に手を当てた。
「…あっつ。」
「…はぁ、ウィン、うつる…」
「ヘーキだよ。ほらジュース飲め。」
「ん…」
口にストローを入れると、ゆっくり喉がコクコクと動く。
熱でボーッとしているせいか、幾分素直になっている。
「ん…も、無理…」
「ヨーグルト食えそう?」
「…無理…」
「じゃあ解熱剤だけ飲んどけ。頭とか痛いんなら鎮痛剤も。」
「飲む…」
頷き、ウィングは錠剤を口に入れて水を飲ませようとしたがポタポタ溢れてくる。
意識も朦朧としているのか、焦点も揺らいでいる。
「自力じゃ無理かよ。」
舌打ちしてウィングは二錠と水を口に含み、乱暴にホセに流し込む。
「ったくシャレになんねーっての。」
無理矢理飲み込ませて、口を離すと自分の口をゴシゴシ擦ってウィングが呻く。
「誰得だよったく…口移しとか男女でやるもんだろ本当。」
だからといってアクアにやらせる訳にはいかないし、ウィングは深々と溜息を吐いた。
ホセを寝かせると、汗でビショビショの服を脱がし蒸したタオルで汗を拭う。
意識の狭間で気持ちよさそうにしているホセに少し腹が立って、額を弾くと眉間に皺を寄せて寝返りを打った。
シーツを変えて、枕も変える。
最後に新しい服を着せ額にバンドを巻いて、冷却のメーターをいっぱいに捻るとウィングは綺麗に布団を整えてやってソファに放ってあったホセをまたベッドに戻した。
その頃にはもう気持ちよさそうに寝息を立てていて、ウィングは呻いてまた額を強めに叩いた。
「馬鹿。」
「あいったぁ…くー…」
「結局寝るかよ、子供か。」
悲鳴をあげてそのまま寝たホセに、ウィングは悪態を吐いて目にかかった髪を退けてやった。


