「お前…っ何して」
「合意の上だよ、安心しろ。」
自分で言っておきながらホセとしては全く安心できたものではないだろう、ウィングはそう思った。
「お前は尋問くらい慣れてるだろ?」
ホセは押し黙って俯いた。
「全部何もかも正直に吐くならアクアも逃がしてやるぜ。」
「…アクアに…なんて酷い事…」
「お前に言われたかねーよ馬鹿。アクアから何もかも奪っといてよく言う。…アクアの夢も、希望もさ。」
ホセはまた押し黙った、今度は震えているようだった。
「…まあいいや、あと聞きたいのはクラウンだよ…あいつのことだ。」
「…ああ。」
「俺たちはあいつは神界を裏切って、実の妹を殺した罪で流刑になった兄…キングを頼りにここに来て、今までは見逃してたが罪人といえど実兄を殺したんだからと連れ戻しに来たと…そう聞いてた。」
「…」
「間違ってるとこは?」
「…殆ど、全部だ。」
ホセは呟いた、綺麗な瞳をこちらに向けてホセは話し出す。
「クラウンに聞いたことだが。」
「ああ。」
「キングは閉じ込められてた、あの夢術のせいだ…生まれた瞬間から檻に閉じ込められ、自己防衛もするから殺すに殺せない。」
まともに言葉も話せず、キングは育った。
ある日、そんなキングに刺客が送られて来た、あの二番とか言う男の双子の妹だ。
あの兄妹はキングを殺す為に鍛え上げられたいわば道具。
どうやったのか同じ死の夢術を持ってたらしいが、妹は呆気なくキングに殺された。
向こうとしてはどっちでもよかったんだろうな、生きてても同族殺しで流刑、死んだらなおよしの暗殺だ。
その後もなんとか救出した兄の方をああやって狂人化させて、流刑になった後もキングの暗殺に繰り出してたんだろうな。
少し戻るが、クラウンは流刑になったキングを追って此処に来たんだ。
クラウンはキングに懐いてたし、少なからず神界に不信感を抱いていたから。
あいつはやけに運命だ宿命だを毛嫌いしてただろ?
最高神の力を持ったクラウンが、自分がその座に就きたくないからと家出したのがその時だ。
それからキングと合流して、最高神の力を持ったクラウンを追ってる神界と、死神の力を持ったキングを追ってる刺客から逃げながら数ヶ月。
最後に二人は別れて、それからクラウンは俺に会った。


