☆Friend&ship☆-償いの吸血鬼と罪深き種族の運命-



「ん…アクア?」

「…ウィング、ですか?」

ぼんやり霞む記憶を辿り、ウィングは足元で倒れるホセを見た。

「…そうだ…俺達…相討ちになって…」

ホセを捕らえた所で力尽きたんだ。


「…こいつ、寝てんのかな。」

ゆっくり起き上がって、ウィングはホセの頰をつついてみる。

動く気配はない。

「…アクア、船戻るぜ。」

「分かりました。」

でも残念です、アクアは呟いた。

「クラウンを取り逃がしました。」



“奴等”に会ったのは2日前だ。

“奴等”もホセとクラウンを…正確にはクラウンを探していた。

「彼はクラウンの兄だ。」

白い装束に身を包んだ彼らは、後ろにいる青年を指差しそう言った。

その青年は、大人しそうな顔で、まるで怯えたようにこちらを見た。

「君達も知っているだろうが、クラウンは最高神…選ばれしものだ。だが彼女は神界を裏切り、脱走した。」

白装束の男がそう言った。

「そして先日、彼女は、彼女の兄…パンドラを殺した。」

君らがキングと呼んでいた青年だ、と男は言った。

「私達は彼女を許さない…御娘様といえど必ず神界に連れ帰り、厳しい罰を与えるつもりだ。」

君達も、来てくれるか?

微笑んだ相手にアクアは頷いた。

「…キングは、殺されたんですか。」

「ああ。」

思ったよりも冷静に。

ウィングは動かなかった、だが心は決まっていた。



二人は歩いて、船へと戻った。

協定はホセとクラウンを見つけるまで、そしてクラウンを向こうに、ホセをこっちに渡すこと。


クラウンはもう関係ない。


ウィングは思った。


こいつから聞けばいい、何もかも。


「アクア、本当にいいんだよな?」

「ええ。」

構いません。

焼け野原となった緑の星は、まるで二人を責めるように瓦礫を崩した。

ウィングとアクアはその間をすり抜けながら、言葉も交わさず船へと歩いた。