そのツケは、思ったより早く回ってきた。
「クラウン、クラウン来い!!」
「?」
「敵だ、逃げるぞ!」
ホセはクラウンの腕を掴み走り出す。
それは、突然の終わり。
「アハハハハハッ!!ゴメンネ、アカガミ!ソイツヲクルシメタインダヨォォォォッッッ!!!」
「クラウン逃げるぞ、早く!」
充満する死の冷気を除けながら、ホセは走る。
横穴を抜け、クラウンを押し出して洞窟を壊す。
ガラガラと音を立てて崩落する入口から更に距離を取り、立ったのは開けた草原だった。
「…クラウン、様。」
綺麗な、澄んだ声がふと響いた。
涙に濡れた、その声にホセは振り向いた。
「アクア…?」
誰であろう、こちらに歩いてくるのはアクアだった。
「何故、アクア…」
「…償って、下さいよ。」
アクアはしかしホセは見えていないようだった。
「償え!クラウン!私に、私に裁かれろっ!!」
二人は水に囲まれる、ホセはクラウンを庇って叫んだ。
「アクア、アクア何があった!!」
アクアは答えない、ホセは致し方なく業火を放つ。
「クラウン後で追いかける、お前は早く」
「旋風…」
「ホセ!!」
風に巻き上げられた水しぶきが、金属にすら匹敵する硬度で襲いかかる。
咄嗟に氷の壁を作り、ホセは地面を転がって、頭上のウィングを見上げた。
「やっと見つけたぜ…化け物。」
突風に眼を細めて、ホセは後ろに三歩飛ぶ。
銃を構えて、数発撃って死角に転がった。
「やめろウィング、俺に勝てると思って」
「勝てるとは思ってねーさ…お前には隙もなければ弱点もない、冷静で体力もある。」
ウィングは囁くように言った。
「でもな…勝てなくたって、お前は殺せる。」
ニヒルに笑って、ウィングはそう言った。
「…」
ホセは両手の銃を握りしめた。
致命傷を避け、動けなくなる位の傷を負わせなければならない。
理想は手刀で気絶。
最悪は腹に穴を開け失血させるしかない。
ホセは苦しげに頭上を見上げる。
“勝てなくても殺せる”という言葉の真意は、誰より自分が知っている気がした。


