☆Friend&ship☆-償いの吸血鬼と罪深き種族の運命-



そのツケは、思ったより早く回ってきた。


「クラウン、クラウン来い!!」

「?」

「敵だ、逃げるぞ!」

ホセはクラウンの腕を掴み走り出す。


それは、突然の終わり。


「アハハハハハッ!!ゴメンネ、アカガミ!ソイツヲクルシメタインダヨォォォォッッッ!!!」

「クラウン逃げるぞ、早く!」

充満する死の冷気を除けながら、ホセは走る。

横穴を抜け、クラウンを押し出して洞窟を壊す。

ガラガラと音を立てて崩落する入口から更に距離を取り、立ったのは開けた草原だった。


「…クラウン、様。」

綺麗な、澄んだ声がふと響いた。

涙に濡れた、その声にホセは振り向いた。

「アクア…?」

誰であろう、こちらに歩いてくるのはアクアだった。

「何故、アクア…」

「…償って、下さいよ。」

アクアはしかしホセは見えていないようだった。

「償え!クラウン!私に、私に裁かれろっ!!」

二人は水に囲まれる、ホセはクラウンを庇って叫んだ。

「アクア、アクア何があった!!」

アクアは答えない、ホセは致し方なく業火を放つ。

「クラウン後で追いかける、お前は早く」

「旋風…」

「ホセ!!」

風に巻き上げられた水しぶきが、金属にすら匹敵する硬度で襲いかかる。

咄嗟に氷の壁を作り、ホセは地面を転がって、頭上のウィングを見上げた。

「やっと見つけたぜ…化け物。」

突風に眼を細めて、ホセは後ろに三歩飛ぶ。

銃を構えて、数発撃って死角に転がった。

「やめろウィング、俺に勝てると思って」

「勝てるとは思ってねーさ…お前には隙もなければ弱点もない、冷静で体力もある。」

ウィングは囁くように言った。

「でもな…勝てなくたって、お前は殺せる。」

ニヒルに笑って、ウィングはそう言った。

「…」

ホセは両手の銃を握りしめた。


致命傷を避け、動けなくなる位の傷を負わせなければならない。

理想は手刀で気絶。

最悪は腹に穴を開け失血させるしかない。


ホセは苦しげに頭上を見上げる。

“勝てなくても殺せる”という言葉の真意は、誰より自分が知っている気がした。