「…うう…」
『クラウン、ほーら!』
『もうキング…やだ行かないで…!』
『あははっ、捕まえてみろよ!クラウン!』
『待って待ってお願い!!!』
『あはは、あははっ…
「っあ!!」
びっしょりと濡れたベッド、酷い寝汗だ。
「…もう。」
キングは死んだのに。
いつか来るって分かってた。
いつか近いうちに来るって分かってた。
「…キング。」
独りだった、ずっと偽善と欺瞞で繕われた世界を私から殺してくれた。
死神。
その死で、私は救われた。
何が怖いか、貴方にはわかるでしょう?
私が忘れること、忘れてしまうこと。
どうやったって私は覚えていられない。
ホセほど早くないにしても、私の記憶は過ごした時間の三分の一も持たない。
きっと六年後に貴方はもういない。
「…キング…っ…」
慰めてくれる貴方はもういないと分かっていても、私は影を追ってしまう。
生まれた頃からずっと背負ったこの重い十字架は、事あるたびに私を苛む。
どれだけ長く背負っても、決して馴染まない重い重い十字架。
気がつかないほどゆっくりと、早くから背負わされた消えない十字架。
私は戦う、逃げて逃げて逃げ切れないと知ったから。
でも怖い、それはやっぱり罪なの?
「ホセ…」
助けて、助けてホセ。
貴方しかいない、貴方しか私の味方はいないの。
ホセ、ホセ…
ベッドから滑るように降りて、ヒタヒタと道なりに歩いていく。
たとえ自由じゃないとしても。
もがいてみせる。
その結果として囚われたとしたら
やっぱり後悔するだろうけど。
「ホセ…」
「?」
宇宙は綺麗で、あまりにも綺麗で。
妬ましい、永遠に輝き続ける星が。
回る星が。
彼らは忘れることなんてないだろう。
上って上って消えてしまえばいい。
宇宙という逃げ場には手が届かないと思えば、私だってこの宿命を受け入れられるかもしれないのに。
届くかもしれないと。
叶いもしない夢を見る。


