「オリオンっ!!」
「はい。」
「何してんの!!」
「…ご飯を食べていますごめんなさい。」
「謝らなくていいって。ってかそれ人間の食べるもんじゃないだろうが!!駄目!こっち!!」
「う…ごめんなさい。」
ガリガリムグムグ食べていたお皿を取り上げられて、オリオンは無表情に謝った。
「口開けてみ?ああほら怪我してるだろ。どしてこんなことするの?」
「…お腹空いて死にそうで…ごめんなさい。」
「あ、また謝った。」
「ご、ごめんなさい…」
「オリオン。」
「…ごめん、なさい…」
食べかけのお皿を回収して、オリオンは謝った。
「オリオン、どうしてこんなことするの?痛くないの?」
「…お腹、空いてただけです。」
「じゃあこれ食べな、俺は抜くから。」
「…」
ゼウスに出すつもりだった朝食を無理矢理押し付けられて、オリオンは俯いた。
「…ごめんなさい。」
「オリオン、本当に謝り癖ついちゃうからさ。下手に謝るなって。」
「ごめんなさ」
「オリオン。」
諭されて、オリオンは項垂れたようだった。
「いい?」
「…ごめんなさい。」
ゼウスは、深く深く溜息を吐いた。
「あのね、俺本当に危ないと思う。お前もうギリギリなの。そのままだと完全に限界超えちゃうよ?」
「…も、ほっといて、下さい。」
「駄目。」
ふいと後ろを向いたオリオンに、ゼウスは手袋越しに華奢な手首を掴む。
「オリオン、こっち向いて俺見て。俺の目を見て。」
「…離して下さい。」
「こっち見たら離す。」
「…」
う、と詰まってオリオンは動かなかった。
「…オリオン、明日までに俺の目見れるようになっとけよ。」
「…俺が、目合わせたら、ご主人様、汚れちゃう、の。汚くなって、死んじゃう、の。ごめん、なさい。」
「ううん、違う。ならない。大丈夫、不安がんなくていい。」
無表情に、呻くように言ったオリオンにゼウスはそう言った。
「試さなきゃ分かんないだろ。」
「離し、て下さ、い。」
「…ん。明日な、明日までに練習な?」
「…」
「返事は?」
「はい。」
「ん。」
よしよし、頭に手を伸ばすと、オリオンは足早に駆け出した。


