再びベッドに横になって、クラウンは辺りを見渡した。
「…」
洞窟の中には幾つかの松明が灯されて、仄かに明るい。
この洞窟は多分ホセが掘ったものだろう。
まだ新しい。
___カチっ
「?」
スタスタと誰かが歩いてくる音がする。
「クラウン。」
「あ、ホセ…ごめんね、迷惑かけて。」
「いいや。」
ホセは相変わらず綺麗な顔をしてる。
「随分久しぶりだね。」
「ああ…」
ホセは溜息を吐くようにそう頷いた。
「ここ、ホセが作ったの?」
「そうだ。」
やっぱりか。
この超人。
「…これ、渡しておく。」
ホセが投げてよこしたのは真っ白の石のような物体。
手の平大の大きさのそれを弄んでいると、ホセは吐きだすように言った。
「遺骨だ。」
「!」
「集めるだけ集めたが、これが一番大きかった。指先の骨が数本と、頭蓋骨が一欠片、あとは腐りきってもうほとんど粉になってた。」
それは肋骨の内の一本だ、ホセはそう言ってベッドに腰かけた。
「…分かった。ありがとう。」
ホセは一体どんな気持ちでこの骨を拾っていったんだろう。
冷静に、冷徹に淡々と拾っていったのだろうか?
それとも、苦しみながら自分を責めながら?
どちらも容易に想像できて、クラウンは俯いた。
「そういえば、あの街は…?」
「ボロボロだったな。安心しろ、大丈夫だ後処理はしたから。」
「…ゴメン。」
「体を休めろ。」
ホセはそう言った。
「ボロボロなんだから。」
その声にクラウンは起き上がって、大丈夫って言おうとホセの方を向いた。
「大じょ…ホセ!?」
「まだ起きるな。」
ホセはそう言ったが、コートの下の体が酷すぎて耳に入らなかった。
「そ、それそうしたの…?」
巻かれた包帯をゆっくり取っていっているようだったが、もの凄く痛そうだった。
皮膚は赤く焼け爛れ、あちこちに切り傷と打撲痕が色濃く残って、まだ癒えたとは言い切れないロープの跡が身体中に走っている。
「…別に。」
「別にじゃないよ、どうしてこんな風に!」
「お前は、お前のことだけ考えろ。」
ホセはそう言って、後ろを向いた。
背中の傷も、痛々しかった。


