「…ラウンさん、クラウンさん!!」
「ん…?」
目覚めたのは、洞窟の中だった。
「お身体はいかがですか?」
「…誰?」
「ゼロです、L君に貴女を探せと言われました。」
「…キングは?」
そう聞くと、ゼロは答えずらそうに俯いた。
「キングさんは、もう…」
「…」
上半身を起こすと、ゼロは肩を支えてくれた。
相変わらず酷い隈だ。
メイクでもしているんじゃないだろうかといつも思う。
肌は褐色で、髪はグレーの混じった黒。
全体に細長いせいで、どこか爬虫類を思わせる。
「クラウンさん?今凄く失礼なこと考えませんでしたか?」
「ううん。っていうかゼロはなんでここに…」
「L君に頼まれました。もう三週間も前です。」
「三週間?」
「ええ、ずっと眠っていました。酷い傷でしたよ。」
ゼロは微笑んでそういった。
ゼロは何をしても疲れきって見える。
「じゃあ、私は帰ります。L君がもうすぐ戻ってくるはずですから。」
「ホセもいるの?」
「ええ。起きた時に一人ぼっちじゃ不安になってしまうだろうから、そばにいろと。」
「…そう、なんだ。」
ホセは優しい。
いつも、いつも優しい。
「クラウンさん、一つ、お聞きしても構いませんか?」
「何を?」
「貴女がショックを受けているのは承知の上です、でもL君のこともどうか気にかけてあげて下さい。」
「え?」
「貴女が寝ている間、彼は吸血鬼化したまま殺戮を繰り返しました、ショックが収まったのはつい最近です。」
「え…?」
殺戮を?
ホセが?
「貴女を探しに行ったっきり、お前も来いと言われてそのまま音信不通でしたが…一週間前に保護しました。もう精神状態もボロボロで、それでも貴女のそばにいろと…」
「…そうなんだ。」
「じゃあ、私はこれで。さようなら、御大事にして下さいね。」
ニコ、としてゼロはいなくなった。


