小さな田舎の星に降り立って、クラウンとキングは歩き出した。
「とりあえず、飯か?」
「…私お腹空いてない。」
目立つ金髪はフードの中に突っ込み、顔も隠している。
キングとしてはちゃんと性別変えて欲しかったが、クラウンが大きなフードを被ったので深くは触れなかった。
「クラウン、こっち。」
「うん。」
クイ、と腕を引くとクラウンは大人しく従った。
その声はひどく湿っぽくて、やっぱショックすぎたんだなと、キングは今更のように思った。
「んーじゃーね、そこにあるのふたーつ、よろ。」
「はいよ。」
サンドウィッチをたべさせると、キングは立ち上がった。
「ごちそうさま。」
「おお。ただにいちゃん、もうちょっといておくれよ。」
「は?何で?」
不思議そうにキングは言った。
「僕がいるからだよ。」
「っ!?」
「二番、君…!」
「へへ、今度はやられない…!」
にたあと、鮮やかな金髪をした少年は微笑んだ。
___無いよ?聞きたいなら教えたげるけどさ、2番って名前カナ?偽善者さん。
___僕は全てを知ってるんだよね?君は何にも知らないでしょ?知ろうともしなかったでしょ?あの地下牢で飼育されてた可哀想なモルモット達なんてなぁ?
___死ぬほど辛い実験を死ぬほど受けさせられてさ、自殺防止のいろーんな機械を身体中に繋がれてさ。
___僕の双子の妹はね、あいつらの傀儡になっちゃったんだ。それから数日後に妹は死んだんだ。何故だか知ってる?
___宮殿で育った君に分かるかな?奴等の目がどれほど軽蔑的か。僕は実験動物以外の何物でもなかったんだ。
___先に壊れた妹のかわりに、僕が実験動物になってからというもの、僕は憎み続けた。僕らの仲間入りを永遠にしない御娘と、妹を殺した死神をなあ…
___僕は成功だよ、死神を殺す力を手に入れたんだから…!!
「?こいつは…?」
「シルンとホセを殺した奴。死の夢術を持ってるの。」
「ふぅん?」
「会いたかったよ死神パンドラ。妹を殺してのうのうと…!」
告げられた自分の本名に、キングは顔をしかめた。
「襲いかかってきたんだから正当防衛だろ、つか俺はキングだよ?」
「許さない、お前ら二人とも…っ!」
随分恨まれてんな、とキングは言った。
「クラウン、頼むぜ。」
「…うん。」
クラウンは頷いて、左手を掲げた。
「最終世界。」
瞳の奥に輝くクリスタルが、激しく回り出す…


