時は少々巻き戻り、今は2/4。

ウィングとアクアと別れたその日だ。


「クラウン。」

逃げて逃げて、まだ半日しか経っていないとは思えない疲労感。

キングはずっと泣いているクラウンを気にかけながら、舵を監視しつつ近づいた。

「大丈夫?」

「…ごめんね、ごめんねキング。」

「謝んなよ、俺は平気。」

「ごめんなさい。勝手に連れて来て、勝手に船乗せて…挙げ句の果てに捨てられて…うっ…もう、ホセも会いに来てくれないよ…」

綺麗な髪を小刻みに揺らしながらシクシク泣いている。

「大丈夫だよ、ホセは探してくれる。」

まああの衝撃の自虐ボーイをこのネガティヴガールと一緒にするという不安はなきにしもあらずだが、キングは笑顔でそう言った。


迫害に次ぐ迫害で二人とも精神はボロボロだろう。

せっかく現れた希望すら見えないほどに、ボロボロ。


「クラウン、あの星行くぞ。」

「…いいや。」

「いいやじゃないだろ。」

「だって…」

キングは頭をコツンと叩きながら、にっと笑った。

「俺はお前のこと好き。絶対に見捨てたしない。分かった?」

「…っうん…っ」

ボロ、と泣き出したクラウンの頭の撫でながらキングは困ったように眉をひそめた。