☆Friend&ship☆-償いの吸血鬼と罪深き種族の運命-




「…」


勝った。


ホセは冷静にそう思った。

暴れる内部を慣れた手つきで沈める。

首に違和感を感じ、それを手に取り引きちぎる。


「…ああ。」

小癪な。


首が切れたが、気にすることなくホセは部屋を見て金の十字架を取り出した。

「馬鹿だな。」

掛けられていた鏡が目に入り、ホセは思わず目をそらす。

「…醜い。」

拳で叩き割った鏡の破片は、容赦なくホセの体に突き刺さる。

激しい音に、寝ていたアクアが起きる。

それでも気にすることなく軽く払っただけで、ホセはコートを羽織った。


「…お前の居場所は此処だ。…クズ」

壊してやる、お前の創り上げてきたこの世界。


「ついて来い。魔界から出してやる。」

「え、でもお兄ちゃ」

「俺はお前の兄じゃない。あの吸血鬼もお前の兄じゃない。」

無情に。

無表情に。

無感動に。

「大丈夫だったか。酷い事されてないか。」

「されて、ません…」

「お前は。」

足早に歩きながらホセは言った。

「平気だけど」

「ああそうか。急いで抜けるぞ、吸血鬼の巣窟なんかには一秒たりともいたくない。」

「でもお兄ちゃんの仲間だったんじゃ。」

「仲間。」

ホセは繰り返した。

「あのクズどもが仲間。馬鹿馬鹿しいな…まあ、悪の巣窟って奴か。」

「そんなことないですよ、お兄ちゃんはとっても優し」

「なあアクア。」

足を止め、ホセは振り返った。

「言ったはずだ。俺はお前の兄じゃない。あいつもお前の兄じゃない。」

「…っ、おいホセそんな言い方!!」

歩き出したホセは、丁度出入り口に着いた。


「アクア、お前に家族はいない。」

無感動に無表情に無情に無慈悲に。

ホセはアクアの目を睨むように見つめてそう言った。

「俺が殺したから。」

悲しいくらいに無表情に、ホセはそう言った。